Les Essais d'un ancien membre de "Momotaro Boys Choir"

昔は退団、今は卒団

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私は1972年3月、小学校卒業と同時に桃太郎少年合唱団を「退団」しました。

現在は、高校卒業までであれば団員の希望する間は団員を続けてよいみたいですが、当時は、かっこよく言えばウィーン少年合唱団のように変声時期に(実際には区切りの良い小学校卒業と同時に)退団するのが通例でした(中学生になっても続ける団員が例年1,2名いたので、小学生でなければならないという規則はなかったようです)。

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退団後、中学校には桃太郎仲間はたくさんいたし、棚田先生に音楽を教わったし、高校では桃太郎仲間に再会したりで、桃太郎少年合唱団とは何らかの縁が続きました。

でも、東京の大学に進学してからは、桃太郎少年合唱団の関係者に出会うことはなく、ふつうのOBたちと同じく桃太郎少年合唱団のことは記憶の底に沈み、残ったのは音楽好きな自分だけでした。そして、大学院生、学術振興会特別研究員、大学教員と立場は変わりながら桃太郎少年合唱団の関係者とは無縁の生活を送る中、結婚し、子供が生まれ、、、、、大学を辞し岡山に帰ってきてからは練習場から自転車10分圏内に住んでいましたが、OBの子息は入団しなければならないという規則はないし、団員時代は楽しかった反面、それなりに大変だったので、息子に入団を勧めたことはありませんでした。定期演奏会に赴く気持ちになったこともありません。ところがいつのまにか息子が合唱に興味を持ちはじめ、まずは小学校のコーラスクラブに入り、そこでの高野先生との出会いを通して桃太郎少年合唱団に入団しました。

年度途中に入団したので、息子にとって初めての入団式は、迎えられる側ではなく、迎える側として参加しました。私は変声したらやめると思っていましたが、変声後も残ってしまいました。今年、団員としての最高学年である高校3年生となり、定演を最後に「卒団」します。

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ところで、私は「退団」、息子は「卒団」。

息子が入団した頃にはすでに「卒団」という言葉が使われていましたが、私は強い違和感を覚えました。学校のように、ある一定のカリキュラムの中で、ある年限を過ごし、ある一定のものを身に付けた場合に「卒」を使うというイメージが違和感の原因です。

先輩保護者に聞いたところ、いつかのことか知りませんが「退団は退学みたいで聞こえが悪い」という人がいて「卒団」になったらしいということでした。しかし、不名誉な強制退学もあれば、名誉の自主退学もあるので、ひとくくりに「退学」は聞こえが悪いと捉えるのは間違いです。その先輩保護者も上記が事実かどうかは確認できないとのことでした。

いずれにしても、かの宝塚歌劇団や劇団四季も「退団」であり、自らの意志決定に基いて新天地に向かうために去ることであるというイメージをもたらします。だから「退団こそかっこいい」と私は思うし、このような捉え方をするなら私の時代こそが「卒団」で、いまは「退団」が適していると思います。

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いずれにしても、まもなく息子は私のOB仲間の一人となります。

 

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