情報リテラシー欠如は無免許運転

他のところでも書きましたが、私は情報リテラシーに関する教育や研究に長い間かかわってきたので、世の中の情報リテラシーの程度については、普通の人の何倍も知っているつもりです。

結論だけ言うと、人々の情報リテラシーの欠如は悲惨なレベルです。自分や身の回りの人を守るために自分自身はインターネットを使わなかったとしても、情報リテラシーが欠如した人によって、自分や身の回りの人の情報が勝手に公開されることがあります。交通事故、受動喫煙などの自分自身では防ぎきれない日常生活のリスクがこれに似ています。

大学や専門学校の授業では教員と学生という関係において、私の言うことに耳を傾け、貸し自ら考えて行動する学生がほとんどなので嬉しいですが、世間ではそうはいきません。とくに相手の肩書とか年齢とかで第三者を判断する人とか、なにごとにも感情的な判断を下す人ほど、第三者を危険に巻き込む危険性が高いようです。(こちらもどうぞ→

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桃太郎少年合唱団の未解決課題を元にして、<ある画像の中の子供の姿に対して、好ましくないコメントが付けられた場合>を例に、以下を記します。

何か起きたとき、そのときに表面に見えていた部分だけは、コメント削除という方法できれいにできます。情報リテラシーのない人は、ここで「よし、もうこれで安心」と思うようですが、それは間違いです。

これを読んでいるあなたは、上記のできごとと同時に以下の事象が存在していた場合、その子供に対して将来的に生じうる危険を想像できますか?

  • その子供あるいはその家族の写真に氏名が併記された画像が、過去~現在においてインターネットのどこかに載っていたり、誰でも入手できる印刷物に掲載されていたりする。
  • その子供あるいはその家族がSNSで自分のプロフィールを全公開している。
  • コメントの原因となった画像を、どこかで誰かがダウンロードしていた。
  • 上記がデジタルタトゥーとしてインターネットのどこかに残っているかもしれない。

想像できない人は、自分には情報リテラシーが欠如していると思ってください。そして、総務省の情報セキュリティサイトや、警察白書のインターネット利用にまつわる統計を読むことを勧めます。警察白書は何年分かを続けて読むと犯罪や事件の変化の方向が分かるので、今後を予測するときに役立ちます。

上に箇条書した4つの事象のうち、上2つの事象の表面は自分の手で消せます。一方、下2つの事象は、消せるかどうか以前に、それらが存在するかどうかを知るすべさえないことが分かるでしょうか?

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3つ目については、公開演奏が誰かに撮影されて、その誰かが私的な楽しみにしている場合に似ています。外に出ない限りは、被害はないでしょう。

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4つ目に対する予防策は、情報を出す前に入念なチェックを行うことです。複数の目を通すだけでも、複数の価値観や思考でフィルタリングをかけられるので安全性が向上します。

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それでもなお、想定外の事態が起きえます。インターネットの世界は広すぎるので、困った事態になっていることに気づけないことがあります。

これに対処するには、困った事態が発生していないかをチェックするためのパトロールを欠かさず、問題を見つけたら少しでも早く対処することが大切です。デジタルタトゥーとしてインターネットのどこかに残りづつけるだろうことを前提に考えたら、半永久的にパトロールを続けることになります。

また、困った事態が生じたとき、それを(表面的に)解決する方法は、ブログ、ホームページ、SNS、YouTubeなど運営母体によって異なるので、それぞれの対処法の概要を予め知っておくことも必要です。

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情報リテラシーが欠如したままインターネットを使う人は、無免許運転する人と同じだと言えば、問題発生時の深刻さを理解できるだろうと期待します。

 

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