第52回定期演奏会・『北越戯譜』について

2014年12月25日

演奏会パンフレットの解説文にリハーサルの写真を加えて掲載します。

日本の伝統的文化の継承

-《北越戯譜》を演奏,上演するにあたって-

桃太郞少年合唱団・副団長・高野 敦

image《北越戯譜》は,日本における現代音楽の第一人者,作曲家であり,音楽評論家,音楽学者としても知られる柴田南雄の代表作の1つで,1975年ひばり児童合唱団により初演された作品です。

江戸時代から,明治,大正,昭和の初期にかけて,現・新潟県魚沼市を中心とした中越地方に伝えられてきた,さまざまな〈あそび歌〉を,実際の〈あそび〉といっしょに再現することをねらって作られた作品で,篠笛と祭り太鼓を伴う盆踊り〈大の阪〉を中心に,〈正月さまのうた〉,〈鳥追いうた〉,〈まりつきうた〉,〈お手玉うた〉など12種類の素材が,演出家,指揮者の判断で,ステージ上で自由に出現し,展開してゆくという,いわゆる〈シアターピース〉とよばれているものです。柴田は,1970年代以降,日本の伝統的な音素材を元にした〈シアターピース〉の制作をライフワークにしており,《北越戯譜》は,《追分節考》,《萬歳流し》に続く3つめの作品になります。

image ここ10年以上,クワイヤー(聖歌隊)としての性格を強くしてきた桃太郎少年合唱団にとって,本作品への取り組みの過程で最も苦労したのは,いつものように整然と並んだ状態で指揮者の指示通り歌うのではなく,ステージ上を自由に動き回りながら,時には自分自身の判断で歌わなければならない〈シアターピース〉への取り組みということもさることながら,まりつき,お手玉,羽根つきなどの,〈あそび〉の練習ということでした。〈あそび〉に苦労するというか,そもそも〈あそび〉を練習しなければならないというのが,おかしな話なのですが,imageコンピュータゲームと共に育ってきた現代の子どもたちはもちろんのこと,高度経済成長期まっただ中に生まれ育った私自身も,〈お手玉〉や〈羽根つき〉といった〈あそび〉を,ほとんどしていません。ですから,本作品の上演にあたっては,様々な〈あそび〉を,私自身が私の親より上の世代の方々から学ぶところから始めなくてはなりませんでした。さらに,インターネットを通して購入した,紙風船,羽根など,〈あそび〉道具の多くが,made in China……。日本の伝統的な文化,〈あそび〉を後世に伝える,ということが難しくなっていることを思い知らされた次第です。

image もちろん,お手玉や羽根つき,まりつきといった〈あそび〉が,元々,女の子の遊びであるといった事情もあるのでしょう。そもそも,男の子だけの少年合唱団である桃太郞少年合唱団が,女の子の遊びを多く含む本作品を上演することにも問題があるのかもしれません。しかし,そこは男女共同参画社会を目指す現代の社会ですし,日本の伝統的文化を後世に伝えるという〈大義名分〉に基づいて,男の子がお手玉や羽根つきをするのもお許しいただければ……と思っています。

image 本作品の上演にあたって,立ち方,歩き方から丁寧にご指導をいただいた演出家の田中敬子先生,楽譜の読み方から,あそびのコツなどさまざまなご示唆をいただいた,ひばり児童合唱団の皆川おさむ様,お手玉あそびを教えていただいた玄馬博子様ほか,多くの皆様に感謝申し上げます。本作品の上演が,日本の伝統的な文化や〈あそび〉の継承のあり方について考えるきっかけとなれば幸いです。

*

なお,〈大の阪〉の篠笛の演奏は,松本みどり様にお願いすることになりました。松本様のプロフィールを紹介させていただきます。

image【篠笛】松本 みどり 

笛師・大森浩志氏に篠笛演奏を学ぶ。
2008年 兵庫県≪スピカホール音楽祭≫
2009年 真庭市≪花伝説―醍醐桜の巻≫
2010年 倉敷市≪洋舞フェスティバル≫
2011年 玉野市≪篠笛とジャズの出会い≫

 


映像は、YouTubeでご覧ください。

 


【曲目リスト】
  1. 正月さまのうた
  2. お手玉、羽根つき

  3. あそびうた

  4. まりつきうた(その一)

  5. お手玉うた

  6. もっくらもちのうた

  7. 鳥追いうた(その一)

  8. 鳥追いうた(その二)

  9. 鳥追いうた(その三)

  10. わら鉄砲

  11. ふうせんつきうた

  12. 大の阪
 
【シアターピースとは?】

演奏者の行為(演技)を中心に計画される音楽作品。ステージのみならず、通路・客席を含む劇場空間全体を活用する作品が多い。 (デジタル大辞泉より)


メリスマについて

2012年8月15日

夏休みなので、ちょっとでもたくさん更新したいと思っている高原です。

と、いうわけで、久しぶりの マメ知識、 2月以来です!(ちなみに3回目のはず)

今回は、メリスマについてです。
まずは、これを聞いてみてください

“For unto us a child is born” (ヘンデル)

去年の定期演奏会の演奏です。
0:34ぐらいにソプラノの音が、上下に激しく動くのがわかりますか?
これが、メリスマ という技法です。

メリスマ (melisma) とは、シラブルの対語である。歌詞の1音節に対して、いくつかの音符を当てはめるような曲付けの仕方をいう。あるいは、もともと1音節対1音符で作曲されている部分(シラブル様式)に、2つ以上の音符を用いて歌うことを言う。
(Wikipediaより)

と、まあこんなもんです。
簡単に言うと、一音節の中には、ひとつの母音が含まれるので、
母音(日本語では、あ、い、う、え、お )で伸ばしている中で、音が動く、という感じです。
上の For unto us a child is born のソプラノの場合は「ボーン(borm)」が一音節なので、「お」の部分で伸ばしています。

というわけで、今回のマメ知識は終了です。
良く分からなかったなどという質問は、コメントにどうぞ。
もちろん良く分からなかったとき以外でもokです。
コメントをもらえると、僕自身も嬉しいです。おまちしています。

最後にもう2つ

次の金曜日から合宿なので土曜日は更新できないと思います。すみません。

もう一つ、YouTubeに去年の定期演奏会の歌をのせています 。
右欄の「YouTubeの桃太郎少年合唱団」をクリックすると出てきます。
ぜひぜひ、聞いてみてください。
気に入られた方は、ぜひ高評価ボタンを押してください(笑
ちなみに、YouTubeの再生回数は、僕らの持ち歌『広い世界へ』がだんとつ1位です。

では、また (たぶん火曜日頃になると思います。)

(49期 高原亮)


変声期

2012年2月18日

先週は、塚原先輩が書いてくれました。
彼は、いろいろな事(先週書いたような事)を知っています。
僕も負けていられない、、、

と 言うわけで 簡単な
変声期の歌い方

について書きます。(大人の方すみません・・・)
・・・僕はいま変声期中です。

変声期中は、できれば歌わない(とくに合唱に詳しくない人)
でも、学校の行事、コンクールなどで、歌わなければならない人は
できるだけ腹筋、背筋を使う これが良く分からない人は
2回に一回歌うなど歌う回数を減らすなどして歌ってみてください。

あと、決して無理はしないでください。

無理をして歌うと、のどを壊して声がでなくなることがあります。
ちなみに、のど飴も結構有効ですよ!(効く飴は、とっても苦いものが多いですが)

変声期の方は上のようにして歌ってみるとよいでしょう。
あと僕も、全てを知っているわけではないので(上のことは本当ですよ!)
「他にもある」 という方は コメントに書き込んでください。
お願いしま~す。

(49期 高原)


ジョン・ラター

2012年2月11日

新たにブログ更新メンバーに加わった塚原です。

今日(2/11)は祝日なので、練習場が借りれませんでした。なので練習はお休みです。
残念・・・!

さて、今日は、宗教曲の練習で歌っている ” Look at the world” を作曲したジョン・ラターについてお話しします。

ラター(John Rutter) は1945年生まれのイギリスの作曲家です。英ケンブリッジ大学で音楽を学び、30歳の時、同校の音楽科主任になりました。 その後、大学を辞め、作曲活動や合唱指導に専念しています。

これまでに桃太郎少年合唱団では、
“All things bright and beautiful”
“The load bless you and keep you”
などを演奏してきました。

どの曲も、(20世紀後半の音楽家にしては珍しく)前衛的な要素がほとんどありません。とてもすっきりした和音で構成されています。

彼の曲は、本当に「気持ちよく」なれます。音楽の流れが素晴らしく、ハマった時は本当に嬉しいです。
毎回、シンプル・イズ・ザ・ベストなんだ、と思い知らされています。

これからも彼の世界観を少しでもきれいに表現できるよう、頑張っていこうと思います!

(45期 塚原)